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日本へ一時帰国して感じた、オランダに住む利点と欠点

先月、夫と共に日本へ一時帰国してきました。

日頃から日本の美味しい食事と、行き届いたサービスに飢えているので、それらを満喫してとても楽しい時間を過ごしました。

オランダ人の夫も日本が好きなので、いずれは日本に移住してもいいと言っています。

それでもオランダに帰ってくると、この国はこの国で良いところもあるんだよなぁと、オランダでの生活も捨てきれません。

今回はオランダに住むことの利点と欠点を、日本での生活を元に考察してみます。

 

オランダに住む利点

1. ワークライフバランス

オランダの自宅は現在の職場から車で15分、公共交通機関を使うと45分と、とても便利な場所に位置しているので、8時過ぎに家を出れば9時からの始業に間に合います。

一日の労働時間は8時間で、たまにそれ以上働くこともありますが、残業は最長でも1時間くらいです。残業時間は別の日に有給として消化することができます。

年間の休暇は25日で、許可があれば3週間以上の連続休暇も取ることができます。

日本で仕事をしていた時も休暇は比較的取りやすい恵まれた職場環境でしたが、オランダ人は皆3週間くらいの休暇を取るのは当たり前なので、気にせずに休むことができます。

 

2. インフレ率に応じた給料調整

2022年のオランダの物価は、前年に比べて平均11.6%上昇しました。2022年9月だけを見ると上昇率は前年比14.5%でした。

これに伴い、現在働いている企業は社員の給料を一定率引き上げました。生活費がかなり上がったので、11.6%までいかないまでも給料が少しでも上がることはありがたいことです。

因みに義父は年金で生活していますが、インフレにより企業年金の額も増えたそうです。

 

3. 整備された暮らしやすい町のデザイン

先日の一時帰国で驚いたのが、地元の街が開発によりとても発展していたこと。それに伴い人口も増え、自転車に乗る人や歩行者、下校する子供たちの多さに驚きました。

しかし道路や歩道のサイズは以前のままなので、車で走っていると、特に自転車と接触しそうになりとても怖かったのを覚えています。

比べてオランダでは、ある程度の大きさの町では自転車専用道が整備されており、自転車も車も走りやすい構造になっています。

もちろんアムステルダムなどの交通量の多い街では十分に気を付けて運転しないといけませんが、幹線道路などではおおむね車道、自転車道、歩道があるので、運転しやすいのではないかなと思います。

また、バス専用レーンが導入されている都市部も多いので、通勤・通学時に遅延しにくいというメリットもあります。(とはいえ、遅れるときは遅れますが…)

オランダに住む欠点

1. 公共交通機関やサービスの質が悪い

日本と言えば公共交通機関が充実していることですよね。

オランダの国鉄(NS)は、はっきり言って使い物になりません。遅延、キャンセルは日常茶飯事。それに運賃が驚くほど高い。

アムステルダム – ロッテルダム(84km、72分の乗車)で17.9ユーロですので、日本円にして2800円ほどです。(因みに東京駅 – 小田原駅間が82km、82分の乗車で1520円です。)

交通機関だけでなく、レストランやお店のサービスも日本に勝ることはないと思います。

こちらではカフェなどで注文しても「ありがとう」すらないこともありますからね…。日本ではどんなお店に行っても不快になることはほとんどないですよね。

 

2. 買い物が楽しくない

なぜかオランダでの買い物は楽しくありません。

アムステルダムやアムステルフェーンという近隣の街にはデパートもありますし、ショッピングモールもあるのですが、なぜか欲しいと思うものが見つかりません。

しばらく日本に帰っていないと恋しくなるのが、プラザやロフトなどの駅ナカのバラエティーショップ。新製品がどんどん発売される日本の開発技術もさることながら、それを魅力的にディスプレイする広告技術もすごいと思います。

わたしは新製品(主に化粧品)を試すのが大好きなので、日本に帰るとプラザに直行して色々買っています。

かたやオランダでは、どこへ行っても同じような商品しか売られておらず、悲しいかなわくわくを感じることはほぼありません。

 

3. 娯楽・食・自然がない

東京に数週間滞在すると、オランダは圧倒的に娯楽が少ない!と感じます。

もちろん遊園地や動物園などはありますが、公共交通機関でさくっと行けて、楽しめる場所が少ないと思います。

遊べるところと並べて強調したいのがやはり食。どんなレストラン・居酒屋へ行ってもクオリティーの高いものを食べられる日本は本当に秀逸。毎回驚かされます。

もし日本で暮らしたら、たとえ贅沢しなくても、毎週末レストランへ行って美味しい物を食べられたら、どれだけ幸せな気持ちになるだろうかと夢見てしまいます。

 

また、オランダになくて日本にあるのがダイナミックな自然。冬のこの時期になると日本ではスキーやスノーボードを楽しまれる人も多いと思いますが、何せオランダには山がありません。

母の実家が山に近く、夏休みに帰省するとよく山へ遊びに行っていたわたしにとって、山はとても身近な存在。そんなリラックスできる山がないオランダはとても寂しい国だと思ってしまいます。

もちろん飛行機に乗れば数時間以内にアルプスなどの山には行けますが、やはり自分の地元から山が見えないと心が落ち着かないです。

 

結局のところどこに住むかは、自分の生活にとって何が最重要事項かで決まってくると思います。

この記事を書いて、買い物に行く度に新製品をどんどん試せる日本は物質主義的には楽しい。でも長い目で見るとやはり給料面が充実していて、年金もきっちり支払われる(保証はないですが…)オランダのほうが今は住む価値があるかなと感じます。それに買い物をしなければお金も貯まりますしね。

多くのオランダ在住の日本人の方々が言われている通り、定年退職後に日本で暮らすのが一番楽しいのかもしれません。